どがでもバンドやらいでか!
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この小説が出たころに地元ラジオでこの本を紹介していた。
それからずっと気になっていた。
普段 小説はあまり読まない青春小説なんてなんだかくすぐったい
感じがして手をつけることは無かった。


昨日買い物に出たときたまたま見つけて「なんか買わないと!」と
感じて購入。今日一気に読んだ。
正直面白かった!


設定は80年代の鳥取。
高校3年の主人公晴哉が前年の学園祭からカシオペアの
コピーバンドをやることを約束しシコシコ練習をはじめる。
しかしいざ学園祭まで数ヶ月というところでメンバーから
外されたことを他人伝えに知る。
悔しさと怒りから自分のバンドを結成することを誓うのだが・・・
という内容。


読み進めていくときっとありがちな話なのだろうけれど
なんだかどきどきしてくる。
晴哉は、優等生でもないし落ちこぼれでもない、普通と言えば
普通だけれどクラスの中に居るリーダー的でもないけど何だか
目の離せないお調子もの的な感じがプンプンしている。


そのお調子者の元に集まってくるやつもどちらかと言えば
冴えないとまでは言わないが地味な面々。
でもそのひとり一人がなんとも愛くるしい。


一番どきどきして読んだのはバンドがグルーブとはなにか?
を知るエピソード。
私は、きちんとしたバンドと言うのをやったことが無い。
多少アコギでサポートくらいだ。
その程度でもグルーブを感じる。
バンドは正確な演奏だけすれば言い訳ではない。
結局は、下手でもノリが大事。バンド全体のグルーブの一部に
なった時の快感ってとてつもない。
バンドじゃなくても普通に仕事していても生活していてもあるはず。
自分が何かの一部になっていて気持ちよく事が進む感じ。
きっとそういうのが”グルーブ”なのかな?とも思う。


あとがきに立川談四楼さんという落語家さんがこんな事を
書いている。
「80年代に高校生だから今ではアラフォー世代。どんな人生を
送ったのだろう?そんな話を聞きながら呑んだらどんなうまい酒が
呑めるだろう」
本当にそう思う。主人公の晴哉だけでなくバンドメンバーたちや
晴哉をメンバーにしなかったバンドのメンバーなどの話も聞きたくなってくる。



だからってスピンオフなんて作者は、書かないだろうし
書いてもらってもそれは、違うだろう。
きっと「よくあるね・・・」と言うような人生でたまに夏になると
バンドのことを思い出しながら「あんあこともあったな・・・」と
メタボのおなかを撫でてみたり首の皺に重ねた人生を感じながら
今ある現実と戦っているだろうし。



でもたまには青春小説もいいですね。
ハッピーエンドでもそうでなくてもキラキラして汗臭い
感じの瞬間って学生時代経験があんまり無いから(苦笑)
意外とひねくれた私みたいな人間には疑似体験みたいで
良いのかもしれません(苦笑)







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